ortofon KS601 |
今回は、オルトフォンのプリメインアンプの登場です。
KS601は以前から興味のあったアンプでしたが、中々ご縁がありませんでした。
このアンプは、1960年に発表され1965年頃まで発売されていたようです。真空管アンプとしては、比較的後期になるのでしょうか。もとっも、すでに半世紀が経過していますね。オルトフォンの管球プリメインアンプ 6973(RCA)pp 他ECC83×2、 ECC82×1 、ECF80×2 、EF86×2、JS製出力トランス搭載。フォノ(MM)有り 接続DINケーブル付き。
当方が以前から所有している、 LUX SQ38Dは1964年製ですから同年代ですね。ちょっと、SQ38Dと比較してみました。
1. キャビネット
SQ38Dは、木製のキャビネットに入っており、前面のアルミパネルには、手彫りのレタリングが施されています。いかにも高級機と言った感じです。
一方、KS601は、アルミダイキャストのボディに、鉄製のカバーで成り立っています。ぱっと見はナショナルの古いAMラジオのようでうが、このレトロ感がなんとも言えませんね。
ただ、メンテナンスという観点からは、KS601に分があります。当方、SQ38Dのメンテのために、何度かあの木製キャビネットを外した経験がありますが、本体がキャビネットに中々入らないので、難儀しました。さらに、本体がキャビネットと接触するたびに、木製キャビネットが傷がつくことになります。
さらに、このアンプの出力管の6RA8はかなり発熱し、このようなコンパクトなキャビネットでは、放熱効果も期待できません。これは、経年劣化の原因にもつながつていると思います。
その点、KS601はよく出来ていると思います。裏蓋の二つのボルトを外せば全てOKです。また、以外とキャビネットが大きいため、天板の鉄製のカバーもあまり熱くはなりません。
2. 完成度
KS601のボリュームは、オリジナルであると思われますが、殆どガリ等の雑音はありません。特筆すべきは、入出力端子です。DINのコネクターを使用していますが、まったくスムーズです。SQ38Dは、RCA端子を使用していますが、経年と錆びで醜い状態です。できれば交換したいところです。
当方所有のSQ38Dは、15年ほど前に、ラックスでフルオーバーホール(抵抗、コンゲンサー類をはじめ、真空管ソケット、配線コードまで殆ど交換済み)した物を入手しております。一方、KS601は、ボリュームを含めかなりの部品がオリジナル状態です。入手前に、専門店にてメンテを受けていますので、不良品は交換されているはずです。
3.ヒアリング
最初に、これはKS601とSQ38Dの比較ではありません。以前、使用していたQUADの真空管アンプとの比較です。
QUADの真空管アンプは、よく出来ているアンプだと思います。ただ、このアンプはQUADのコンデンサースピーカーを鳴らすべく開発されたアンプですので、普通のダイナミック型のスピーカーとはマッチングが悪いようです。全体的に音が甘いようです。渋い音が好みの当方には、KS601のほうが好ましいです。