ORTOFON TYPE AD |
お久しぶりです。
本日は、オルトフォンのカートリッジの中でも非常にレアな、TYPE ADについて書いてみたいと思います。
このカートリッジは、カンチレバーの先頭にLP用とSP用の両方の針が付いています。1948年の発売ですので、ちょうどLPレコードが出始めた頃でしょうか。
ところで、針が2つ付いているカートリッジとしては、GEのバリレラというカートリッジが有名ですね。バリレラとはバリアブル・レラクタンス(VR:Variable Reluctance)の略です。一般的にはVR方式と呼ばれており、MI方式の一種のようですが、詳しいとことはわかりません。GEのバリレラは、カンチレバーの両端に針が2本付いており、カートリッジの頭上のツマミを押して平行に180度ターンすることにより、両方の針が使用できるというものです。タンノイ社にも同等のカートリッジがありました。タンノイの場合は、2つのカートリッジを上下に張り合わせたような形で、カートリッジ本体を180度回転させるることにより実現してます。
GEもタンノイも同じような方法ですが、オルトフォンは、カンチレバーの先端に2本の針をハの字型に配置いており、LPレコードを聴く時は、カートリッジのヘッドを少し右側にひねり、SPレコードを聴くときは、逆に左側にひねるといった具合です。針の角度を変えることにより、それぞれの針がレコード面に対して垂直になるように考えています。何とマニアックなカートリッジでしょうか。ただ、実物を見るとカンチレバーから針が2本出ており、初めて見る方はちょっとギョッとすると思います^^;
このカートリッジには、オルトフォンのA-212(画像参照)という専用アームが必要す。そして、SPレコードを聴く時は、A-212アームの頭上にあるレバーを「N」側に倒します。そうすることにより、針圧が15グラムかかるようです。LPレコードの場合は、「LP」側に倒します。この場合は、10グラムかかるようです。このA-212は、見た目はちゃっちいですが、ダイナミックバランス型なのです。ちなみに、「N」はNormalの略です。やはり当時はまだSP(SPとはStandard Playの略)が主流だったのでしょうね。
いゃあ~、時代を感じますね。
以上。